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70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

Old And Wise 【The Alan Parsons Project】 (1982)

収録アルバム "Eye In The Sky"

 

イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド "The Alan Parsons Project" の6枚目のアルバム "Eye In The Sky" からバラードの名曲 "Old And Wise" です。
アルバム・ジャケットは、アルバム・タイトルの "Eye In The Sky"=「空の瞳」から連想される、古代エジプト神話の「ホルスの目」をイメージしており、イギリスのアート・グループ「ヒプノシス」の手によるものです。

ここでまたまた話が逸れますが、前回日本のジャケット・アートの著名な人物を紹介しましたので、今回は海外のジャケット・アートの第一人者、「ヒプノシス」について少し書きたいと思います。

ヒプノシス」は、1968年にイギリスで結成されたデザイン・グループで、これまでに数々のバンドのアルバム・ジャケットのデザインを手掛けています。
その作風は、神秘的、幻想的で現実なのか非現実なのかわからないようなイマジネーションに溢れているのが大きな特徴ですね。
1970年に、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンドピンク・フロイドのアルバム "Atom Heart Mother"(邦題:原子心母)のジャケットをデザインしたのですが、アルバム・ジャケットなのにアルバム名もアーティスト名も表記されていない、あるのは「牛」の写真のみ、という前代未聞の作品を発表したところ、結果的にこのアルバムが全英1位を記録したことで、彼らの評判も急上昇したということです。
それ以降、ピンク・フロイドアラン・パーソンズ・プロジェクトの一連のアルバム、レッド・ツェッペリンジェネシスウィングススコーピオンズ、UK、レインボーなど、ジャンルに関係なく非常に多くのアーティストのアルバム・ジャケットをデザインしています。
日本では、松任谷由実さんの「昨晩お会いしましょう」「VOYAGER」「夕闇をひとり」(シングル盤)のジャケット・デザインが「ヒプノシス」によるものです。

アート集も発売されているようなので、ぜひ一度、お手に取ってみてはいかがでしょうか。


さて、話を戻しまして、アラン・パーソンズ・プロジェクトですが、その名のとおり、バンドというよりはプロデューサー兼キーボーディストのアラン・パーソンズのソロ・プロジェクトで、アラン・パーソンズとボーカル担当のエリック・ウルフソン以外はメンバーを固定せずに、セッション・ミュージシャンを起用してレコーディングを行っているようです(エリックは2009年に癌のため他界)。

今回の "Eye In The Sky" は、全米第7位のヒット・アルバムで、シングル・カットされた表題曲も、全米第3位のヒットを記録しました。日本でも当時ヒットしましたので、聞き覚えのある方も多いはず(なぜか本国のイギリスではあまり売れなかったようですが)。
ポップ系の表題曲や "Step By Step"、ロック色の強い "You're Gonna Get Your Fingers Burned"、プログレッシブ・ロック特有のアレンジ、構成、展開が魅力的な "Silence And I"など、バリエーションに富んだ曲構成で聴く側を飽きさせません。しかも、それぞれのボーカル、演奏がとても繊細で、非常に暖かみがあり、後味の爽やかなアルバムに仕上がっています。

そんなアルバムの最後を飾るバラードの名曲 "Old And Wise"。1970-1980年代のバラード作品のNO.1を選べと言われたら、間違いなくこの曲を選ぶでしょう。

何よりもまず、詩が泣けます。

And oh, when I'm old and wise
Heavy words that tossed and blew me
Like autumn winds will blow right through me
And someday in the mist of time
When they ask you if you knew me
Remember that you were a friend of mine
As the final curtain falls before my eyes
Oh when I'm old and wise

 ああ、年を取って賢くなれば
 僕を苦しめる重い言葉も
 秋の風のように さりげなく吹きすぎていくだろう
 そして いつか
 僕の事を知っているかと聞かれたならば
 君は僕の友だちだったことをどうか思い出してほしい
 最後のカーテンが僕の目の前に降りる時
 ああ、年を取って賢くなれば・・・

自分がそういう年齢になってきたからかも知れませんが、心に響きますねー。もう、ウルウルが止まりません(笑)。

バックの演奏はどこまでも繊細な音色で、コリン・ブランストーンのボーカルは優しげで、悲しげで、切なくて、愛おしくて・・・。
エンディングのメル・コリンズのサックスがまた、心の奥底の感情の琴線をかき乱すかのごとく情熱的で・・・。
後に残るのは、優しさに包まれているような充足感と、ミントのような爽快感ですね。

ぜひ一度、このアルバムを聴いて、アラン・パーソンズの世界に浸っていただければ、と思います。